「失敗の本質」は第二次世界大戦の敗戦を分析し、日本の組織的な弱点を様々な観点から分析した本となっています。
発刊は1984年と比較的古い本となっていますが、いまだ売れている名著の一つです。本書では、組織論の観点から日本組織の弱点が解説されています。
目次
失敗の本質
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「失敗の本質」を読んでわかること
失敗するときの原因分析として非常に参考になります。例えば、本書では明確な戦略、目的が存在しない場合は失敗すると書かれています。なんとなくこれはわかる人も多いかと思います。目的があいまいなサービス・製品はうまくいかない印象が強いですね。
他にも、敗戦の原因として計画を練る時はコンティンジェンシープラン(不測の事態に備えた別のプラン)が必要であるが、日本は用意しなかった。楽観的な考え方、希望的観測がもたらした結果だと本書には書かれています。
このように、本書はプロジェクトマネジメントをおこなう人にも非常におすすめです。どういう状況の組織が失敗しやすいのかを日本の敗戦を題材として書かれているととらえることもできます。
感想
個人的に印象的な部分は、日本は環境に適応しすぎて失敗したという部分です。今までうまくいっていた部分を最適化しすぎて、新しい知識概念を取り入れることに遅れてしまうというところが非常に刺さりました。知識があればあるほど、新しい概念・知識が出てきたときに、自分の今までの知識を棚上げして学ぶことは難しくなってくると思います。それらの知識を使ってうまくいっていたのなら、なおさらそれらを棚上げして新しいことを取り入れることは難しくなると思います。本書では「自己否定学習」と書かれていますが、こういう取り組みは確かに重要だけど、簡単にはできないことだと感じたので、日頃から新しい概念に触れておくというのは重要かもしれませんね。
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